2012年10月15日

線画:なじませる

今回はデジタルイラストならではの線画の加工方法を紹介します。

120.jpg

上は前回記事で紹介した、ただの「細い線画」になります。

これだけでも悪くはないんですが、もう一手間加える事で更に線画を馴染ませ繊細なイラストにする事が可能です。

121.jpg

(クリック拡大可能)


こちらは「細い線画」に簡単な「加工」を加えたものになります。

最初の画像と比べてより繊細な印象を受けると思います。





線画に色を塗る - 色トレス (使用ソフト:SAI)


色トレスとは、周りと馴染むように線画に色を塗る事です。

アニメや柔らかい雰囲気にしたい萌え系イラストではよく使われる手法です。

アナログの場合もインクの色を何色か使い分けて線画を描いたりしますが、デジタルならそれよりもずっと簡単に出来るので是非挑戦してみましょう。



@「線画レイヤー」の上に「新規レイヤー」を作る。


A「新規レイヤー」を「下のレイヤーでクリッピング」する。


クリッピングとは
クリッピングとは特定範囲のみを描画対象とする機能の事で、「下のレイヤーでクリッピング」した場合は下のレイヤーで描画してある部分にしか手を加える事が出来ず、下のレイヤーで描画してある部分以外にはいくらはみ出そうと透明になります。

114.jpg

線画レイヤー」の上の「新規レイヤー」にいくら色を置いても、

115.jpg

クリッピング」ボタンを押せばこの通り、下の「線画レイヤー」部分以外に色はつきません。

116.jpg

下のレイヤーでクリッピング」は「フォルダ」も対象になります。

フォルダ」の中にパーツで分けた線画レイヤーが何枚入っていようと、「フォルダ」を一つのレイヤーの塊として扱います。



基本的に 肌の線画→肌より少し濃い目の色、髪の線画→髪より少し濃い目の色 で色トレスするので、線画はパーツごとに分けておいた方がやりやすいです。

(線画がパーツごとに分かれていても、「線画フォルダ」を指定して自動選択すれば、下塗りの時も全ての線画が一つのレイヤー上にあるように範囲選択が行えるので安心です。)

117.jpg

Bクリッピングした「新規レイヤー」にそれぞれベース色を置いたら「不透明度保護」にチェックを入れる。


Cそれぞれの「新規レイヤー」に更に色を乗せて馴染ませ、色トレス完成。


※色トレスのコツ
基本的には周りより一段濃い色を線画に塗りますが、同じの線画でもただ茶色一色ではなく、光が当たっているところは明るく影の部分はより暗めに色を置くと雰囲気が良くなります。

また絶対に一段濃い色で色トレスしないといけないわけではなく、注目させたい場所の線画を意図的に明るくしたり、赤や黄色などの原色を配置し、アーティスティックにしても構いません。

自分の好きな色を使いカラフルな線画にしても面白いと思います。





柔らかい印象にする - ぼかし(ガウス) (使用ソフト:photoshop)


この方法は複製したもう一つの線画をぼかし、色をつけ、元の線画と重ねる事で、イラスト全体を柔らかく見せる効果があります。

シャープで繊細なイラストが流行っている現在の線画加工は色トレスのみで、最後にイラスト全体をぼかす事が多いので、この加工は場合によっては少し古く見えるかもしれません。

しかし優しい笑顔や思い出の場面など、温かい柔らかさを表現するのには向いています。

112.jpg
113.jpg

茶色は落ち着きや懐かしさ、赤系は女の子らしさ、は神秘的な雰囲気が表現しやすいです。

この4つの画像は濃度100%なので強過ぎますが、上の方で紹介した右側の色トレス+ガウスのものはショッキングピンクのぼかした線画を不透明度30%にして被せています。

イラストに合った色合いと不透明度で使用しましょう。



以下はphotoshopでの説明になりますが、無料の画像加工ソフトGIMPPixiaでも出来ます。

無料ペイントツール紹介
有料ペイントツール紹介

118.jpg

@「線画レイヤー」を右クリックし、「レイヤーを複製」する。

119.jpg

A複製した線画(線画のコピー)を「フィルタ」→「ぼかし」→「ぼかし(ガウス)」(1〜5px程度、今回は5px)でぼかす。


Bぼかした「線画のコピー」の上に「新規レイヤー」作成。


C「新規レイヤー」を「レイヤー」→「クリッピングマスクを作成」(photoshop6.0以下は「レイヤー」→「下のレイヤーとグループ化」)でクリッピングする。

122.jpg

Dクリッピングした「新規レイヤー」に好きな色を「バケツ」で流し込む。


Eイメージに合う色を見つけたら「レイヤー」→「下のレイヤーと結合」で、ぼかした「線画のコピー」に色をつける。


Fぼかして色をつけた「線画のコピー」レイヤーの不透明度を自然な%に調整(20%〜80%程度、お好みで)して完成。





通常、線画加工は全体の色塗りが終了してから行います。

イラストの雰囲気や表現したいイメージにあった加工をほどこし、線画を絵に馴染ませましょう


posted by うろ at 00:00 | Comment(1) | 流行の絵柄で描く(2012) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
丁寧な解説で、とても勉強になりました。
特にphotoshop以外にはあまり手を出していないので、その解説が僕には素敵です。

ガウスぼかしや強ぼかし、
ボカしたレイヤーの乗算などの技法、僕も背景やら描く時によく使ってるのですが、
僕の記憶だとかれこれ10年以上前、Photoshopが世の中に認知され始めた頃には、すでにアマチュアデジタル絵描きさんが開発していたように思います。
僕もそういう方のネットの記事をみて、このやり方を覚えた記憶があります。

使いどころが難しいですよね。
Posted by スネ夫狩り二世 at 2012年10月15日 08:53
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。