2013年01月17日

新しいモニターを買ったらやること

デバイス間の色を統一してくれるカラーマネジメントシステム


デジカメ、プリンター、PCモニターなどのデジタルデータを扱うデバイス(機器)はそれぞれ発色の癖や色の再現性能に差があるため、同じ色データを扱っても全く同じ色を表現することは出来ません

モニターだけとっても、メーカー別機種別、また同じ種類のモニターでも個体差があり、表示する色が微妙に異なります。

例えば赤●(R255,G0,B0)を表示しようと思っても、Aさんのモニターでは赤●で表示されていても、Bさんのモニターでは赤●、Cさんのモニターでは赤●で表示されているかもしれません。


さすがにバラバラでは困るので、ここで活躍するのがカラーマネジメントシステム(CMS)です。

カラーマネジメントシステムは各デバイスの特性を理解し、間に立って変換し、表示するデバイスが違っても同じ色を表示してくれるシステムです。

CMS無し : 「A」赤● → 「B」赤● (違う色に見える×)
CMSあり : 「A」赤● → 変換 → 「B」赤● (同じ色に見える◎)



現在カラマネに対応している代表的なソフトは、

・Adobeソフト各種
・GIMP
・Windowsフォトビューア
・最新版Webブラウザは大体ザックリと対応


MacはOSレベルでカラマネに対応。





CMSに必要なデバイスプロファイル


カラーマネジメントを行うには、必ず変換元デバイスと変換先デバイスのデバイスプロファイルが必要になります。

デバイスプロファイルは各デバイスの身分証明書のようなもの
で、カラーマネジメントシステムはそれに記録されているデバイスのカラー特性を読み取り、理解し、一旦どのデバイスにも依存しないカラーへ変換し、更に表示先のデバイスプロファイルを参照し、表示先で意図した色が正しく色が表示されるよう再び変換します。

「A」赤●(Aデバイスプロファイル)→デバイスに依存しないカラー値へ変換→(Bデバイスプロファイル)「B」赤●



新しいモニターを購入した場合その大事なデバイスプロファイルは、付属のCD-ROMでドライバと同時にインストールされるか、無ければメーカーのHPで入手しなければなりません。

モニターの発色特性は個体差があるので、突き詰めるならばキャリブレーションツールを使い、個別のデバイスプロファイルを作成して使用するのが確実ですが、ツールは安くても2万円前後するので(参考)ここではメーカーで提供してある標準的なプロファイルを使います。

OS付属のものや目視でキャリブレーションするソフトもありますが、簡易的なものなのでツールを使った時のように正確とまではいきません。


しかし残念ながら完璧な色環境のモニターを使っている人の方が圧倒的に少数派なので、こちらがどれだけ突き詰めても完全に同じ色は伝わっていない場合がほとんどなのです。

広色域のAdobeRGB対応モニターや突き詰めたキャリブレーションはデザイン関係の仕事であったり、最終的に印刷をする人には必要ですが、Webや同人の活動ならsRGBモニターと出来る範囲の調整で基本的には充分です。






モニターのプロファイルを設定しよう


まずはカラマネの際に必要になる機種に合ったICCプロファイルを用意しましょう。

ドライバインストール時に入手されていないのならメーカーのHPから落とします。


FS2333の場合はコチラ → ソフトウェア&ドライバのダウンロード


295.jpg


Windowsの場合、一番下「情報ファイル/カラープロファイル」の「ZIP」マークを押して保存してください。

DLしたファイルを右クリックで解凍、中身のフォルダをPC内の分かりやすいところに保管します。


296.jpg

次にデスクトップを右クリックし、「画面の解像度」を選んでクリックします。


297.jpg

「画面の解像度」ウインドウの右下「詳細設定」を選んでクリックします。


298.jpg

開いた画面にて、右上の「色の管理」タブを選択し、「色の管理」をクリックします。


299.jpg

このデバイスに自分の設定を使用する(U)」のチェックボックスにチェックを入れます。

そしてICCプロファイル一覧に自分が使用しているモニターと同じ名前のものが無ければ、左下の「追加」ボタンをクリックします。


300.jpg

カラープロファイルの関連付け」ウインドウの「参照」をクリックし、先ほどメーカーHPからDLしたフォルダの中の「FS2333 User 6500K G2.2.icm」をダブルクリックして指定します。

再び「色の管理」画面で「追加」をクリックし、「カラープロファイルの関連付け」ウインドウのICCプロファイル一覧から「FS2333 User 6500K G2.2.icm」を選び、ダブルクリックして追加します。


301.jpg

追加された「FS2333 User 6500K G2.2.icm」をクリックして選択し、右下の「規定のプロファイルに指定」をクリックします。

閉じる」をクリックして終了します。



これでモニターに合ったデバイスプロファイル(身分証明書)が設定されました。


Windows7での設定方法でしたが、メーカーHPからDLしたプロファイルのフォルダの中にある「Manual-ICC-JA.html」に2000、XP、Vista、7での設定方法も載っているので、他のOSの方はご確認ください。

カラープロファイルがメーカーHPにも無いモニターの場合通常はsRGB IEC61966-2.1を、広色域のAdobeRGB対応モニターの場合はAdobe RGB(1998)を選択してください。



今回の内容を踏まえた上で、次回、「SAIPhotoshopで何故イラストの見え方が違うのか」の解説と対処法を書きます。

まったく頭がこんがらがりそうになりますね(´`;



参考

【ニコニコ動画】カラーマネジメント講座 第1回
モニターのカラーマネージメントの設定をしよう
液晶ディスプレイとカラーマネージメント
EIZOライブラリー - カラマネ小話


posted by うろ at 00:00 | Comment(0) | デジタルで描く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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