BTOパソコンショップ「パソコン工房」にて、「デジタル漫画・イラストを描く人のためのノートパソコン」が発表されました。
使用を想定しているペイントソフトは「CLIP STUDIO PAINT」です。
お手頃価格ながら高性能&多機能で、現在も頻繁にアップデートを重ねて進化し続けている、初心者からプロまで幅広いクリエイター達から支持されているソフトです。
ただしこのソフト1本で色々なことができる代わりに、重めのペイントソフトではあります。
こういったクリエイター推奨パソコンコーナーはパソコン初心者にとってはありがたいですが、少々心配な点もあるので、今回は絵・イラストをデジタルで描くなら「デスクトップパソコン」がいいのか、「ノートパソコン」または「タブレット」がいいのか、それぞれの利点と欠点を紹介しながら説明しようと思います。
イラストが描けるパソコン選びでお悩みの方の参考になれば幸いです。
【デスクトップパソコン】
■利点■
・拡張性・冷却性に優れている
・丸ごと買い換えなくても、各パーツ・デバイスの買い替えのみで性能アップ、延命ができる
・画面が広いので作業効率がアップする
・正確な色で作業ができる
・同程度の性能ならば一番安く済む
・丸ごと買い換えなくても、各パーツ・デバイスの買い替えのみで性能アップ、延命ができる
・画面が広いので作業効率がアップする
・正確な色で作業ができる
・同程度の性能ならば一番安く済む
■欠点■
・動かせない
・場所を取る
・場所を取る
【ノートパソコン】
■利点■
・持ち運び、どこでも作業ができる
・本体と別にモニターを買う必要がない
・場所を取らない
・本体と別にモニターを買う必要がない
・場所を取らない
■欠点■
・画面が狭く、作業効率が落ちる、疲れる
・モニターの変更ができないので正確な色での作業・確認が困難
・自分でカスタマイズすることが困難
・壊れた場合の修理費が高額
・熱を持つ
・高性能なものは割高
・モニターの変更ができないので正確な色での作業・確認が困難
・自分でカスタマイズすることが困難
・壊れた場合の修理費が高額
・熱を持つ
・高性能なものは割高
【タブレット】
■利点■
・持ち運び、どこでも作業ができる
・膝の上でも描ける(腰痛、首凝り、肩凝り注意)
・画面に直接描き込めるためペンタブを買う必要がない
・本体と別にモニターを買う必要がない
・場所を取らない
・膝の上でも描ける(腰痛、首凝り、肩凝り注意)
・画面に直接描き込めるためペンタブを買う必要がない
・本体と別にモニターを買う必要がない
・場所を取らない
■欠点■
・画面が狭く、作業効率が落ちる、疲れる
・モニターの変更ができないので正確な色での作業・確認が困難
・自分でカスタマイズすることがほぼ不可能
・壊れた場合の修理費が高額
・熱を持つ
・高性能なものは割高
・モニターの変更ができないので正確な色での作業・確認が困難
・自分でカスタマイズすることがほぼ不可能
・壊れた場合の修理費が高額
・熱を持つ
・高性能なものは割高
おすすめは「デスクトップパソコン」
おすすめは「デスクトップパソコン」です。
動かせないことを除けば、デスクトップパソコンは拡張性、正確性、作業効率の面から見ても優れており、またコストパフォーマンスも優秀です。
同じ価格帯の「デスクトップパソコン」と「ノートパソコン」を比べてみると、「デスクトップ」の方が「ノートパソコン」よりワンランク上の性能になります。
同じような性能で並べてみると、
パソコン工房 CLIP STUDIO PAINT推奨ノートパソコン(スタンダードモデル) 89,980円
パソコン工房 CLIP STUDIO PAINT推奨デスクトップパソコン(エントリーモデル) 61,980円
パソコン工房 CLIP STUDIO PAINT推奨デスクトップパソコン(エントリーモデル) 61,980円
同じような性能でも値段に差があることが分かると思います。
更にノートパソコンのビデオカードは狭いノートパソコン内に収納するため大きさや性能が下げられており、例えばノート用ビデオカード「GTX960M(スコア1,500)」の場合ですと、同じ名前のデスクトップ用ビデオカード「GTX960(スコア6,001)」の半分以下の性能になるため、実際にはデスクトップ用ビデオカード「GT740(スコア1,567)」程度の能力しか出せないことになります。
それを踏まえた上で、20万円のノートパソコンと同程度の性能をデスクトップで組もうとすると、約11万円で組むことが可能になります。
もちろん「デスクトップ」の場合は本体とは別に「モニター」「キーボード」「マウス」も揃えないといけないので、それらが手元にない場合は一概に「デスクトップ」の方が安いとは言えなくなってしまいますが、「モニター」が別というのはイラストを描く上で非常に重要なポイントです。
モニターの重要性
モノクロイラストやらくがき程度ならそこまで気にする必要はありませんが、本格的にイラストを描く場合や印刷する場合はモニターの色の再現性が重要になってきます。
ノートパソコンの場合本体とモニターが一体型なのでモニターだけこだわるといったことができません。
多くのノートパソコンはモニターの角度が少し変わっただけで色が変わって見えてしまったり、最初から色の表示がずれていることがあるため、正しい色で作業することが困難です。
正しい色で作業ができないと、自分のノートパソコンでは綺麗に見えていたイラストが、実際印刷してみたり他の人の(別の)パソコンで見ると色が全然違って見えた、ということが起こりえます。
中には色の再現性にこだわったノートパソコンもありますが、万人に需要があるわけではないためなかなか高価なものになってしまっている現状です。
またノートパソコンの液晶サイズは大きくても17.3インチ(型)ですが、独立したモニターならば大きさが選べるので、現在主流の24型前後を使えばツールボックスを複数配置してもイラストを描くスペースが圧迫されず、大きな画面で広々と作業することができます。
更にデュアルディスプレイ(マルチモニター)にしてモニターを複数並べ、1つで作業、1つで資料を表示するといった使い方もできます。
マルチモニター自体はノートパソコンでも可能です。
(関連:オススメモニター)
イラストを描くのにオススメのタブレットPCは?
最近はイラストを描くことを想定した「タブレットPC」も発売されています。
代表的なものは、
・Cintiq Companion 2 (ワコム) (i5モデル↑)
・Surface Pro 3 (Microsoft) (i5、8GBモデル↑)
・VAIO Z Canvas (ソニー)
その中でも本格的なイラスト制作となると、ペンタブレット本家ワコムから出ている「Cintiq Companion 2」と、クリエイター向けに開発された「VAIO Z Canvas」になります。
「Cintiq Companion 2」はパソコンに繋げて通常の液晶ペンタブレットとして使用できるところが他とは違うポイントです。
「Surface Pro 3」も高性能ですが、イラスト制作に特化しているわけではなくマルチな使い方を想定している製品ですので、色味やペンの性能などイラスト用途として完璧とは言えないようです。
しかしラフ制作や繊細な塗りを必要としないイラストの場合はなかなか使えるようで、初めてのイラスト制作兼タブレットPCとしては十分な性能を持っています。
CLIP STUDIO推奨パソコンを購入するなら
最後に、各パソコンショップで特設されている「CLIP STUDIO PAINT推奨パソコンコーナー」についてです。
正直に言ってCLIP STUDIO PAINT公式にある動作環境は最低限なので快適に動かすのは難しいです。
「動作」はするけど、処理が重かったり、ソフト(マシン全体)がフリーズしてしまうこともあるかもしれません。
「快適」に動かそうと思えば、
【メモリ】
最低:4GB(おすすめしない)
できれば:8GB
余裕を持って:16GB↑
【CPU】
4コア、3.0GHz以上 (Intel Core i5以上が望ましい)
【ビデオカード】
オンボード(HD4400など)でも動く報告多数
3DCGモデルを多用するならビデオカード搭載推奨(高性能じゃなくていい)
このくらいはあった方が安心です。
なので特設コーナーの一番安いモデル(8万円以下)ではちょっと厳しいと思います。
・CLIP STUDIO PAINT 動作確認済推奨PC(TSUKUMO)(04/17追加)
各ショップの特設コーナーで言うと、
【ドスパラ】 raytrek debut! RRR5-Q
優れたグラフィック性能も備えるRyzen CPU採用で、抜群のコストパフォーマンス。
メモリ、CPU、グラフィック共にお絵描き用途としては十分な性能。
【パソコン工房】 SENSE-MAB2-i5-HNR-CSP
SSDにこだわるパソコン工房のスタンダードモデル。
グラフィックはオンボードで「HD Graphics 630」。
SSDにソフトをインストールすることでHDD構成の上記モデルよりも高速なデータ読み込みが可能となっている。
【TSUKUMO】 CM5J-B180/T
こちらはTSUKUMOのSSD構成。
グラフィックはオンボードで「HD Graphics 630」。
SSDにソフトをインストールすることでHDD構成の上記モデルよりも高速なデータ読み込みが可能となっている。
このあたりのランクであれば2Dイラストを描くのに問題ありません。
参考になれば幸いです。
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