今回はCLIP STUDIO PAINT・3Dデッサン人形の手のポーズの保存方法と、関節角度制限についてです。
クリスタには便利な機能がたくさんありますが、たくさんありすぎて何ができるのか・どこにあるのか把握するのが大変ですよね(^^;
それでは詳細は折り畳み。
体が上手く描けない人や、難しい角度からの描写に挑戦する時に大変役立つクリスタ付属の3Dデッサン人形。
しかしなかなか思ったようなポーズを作れずに微妙な思いをしたことがあるかもしれません。
例えばこれ。

右は最初から登録されている手のポーズ「グー」を適用した3Dモデルです。
本当は左の写真のようにもうちょっとしっかり握り拳を作ってほしいし、親指の角度が何かおかしい。
「オブジェクト」の「ツールプロパティ」をスクロールしたところにある簡易的な手の調整メニュー「ハンドコントローラー」でも握り拳は作れますが、

余計おかしくなった。
しかし親指の角度を直そうにも、

青いマニピュレータしか表示されないので細かい角度をいじれません。
【関節角度制限を外す】
3Dデッサン人形は現実的に曲がらないであろう角度に曲がらないように「関節角度制限」を設けてあります。
しかし実際は結構曲がったりするので、制限そのままでポーズを取ると硬い印象になることも。
そこでこの「関節角度制限」を外すことにします。

やり方は、「オブジェクト」の「ツールプロパティ」ウインドウ右下のスパナマーク@をクリックし「詳細設定」を開く。
「サブツール詳細」の「ポーズ」項目から「関節角度制限」のチェックを外すA。

「関節角度制限」を外した状態で調整するとなかなかいい感じの握り拳になりました。
しかし毎回この調整をするのは大変なのでポーズを保存しようと思います。
ポーズの保存方法は、

「オブジェクトランチャー」内にある「ポーズ登録」ボタンをクリックし、名前をつけて任意の場所に保存するだけ。
しかし、現在クリスタには手のポーズのみ登録する方法がありません(公式)。
上記の方法で保存すると全身のポーズが登録されるので、いざ"保存したグー"を適用しようとしても全身のポーズ丸ごと書き換えられてしまいます。
【手のポーズの保存方法】
そこで使用するのがG-BLACKさん制作の可動手です。
可動の両手 100G or 500CP
可動の左手 50G or 250CP
可動の右手 50G or 250CP
購入にポイントを使用しますが、バリュー版を使用しているとどんどんCPはたまりますし、貯め方もいろいろあるので必ずしも課金する必要はありません。 → CLIPPYとは?

この可動手を使用して手のみのポーズを作り、先ほどの方法で保存すると「手のポーズ」だけを保存することができます。

「両肩に手を置く」ポーズに先ほど保存した「可動手のグー」を適用。
無事手のみのポーズを変更することができました。
細かいところまで3Dデッサン人形でポーズを作るのは大変ですし、モデルに頼ってばかりいては人体を描けるようにならないと思うかもしれませんが、私は3Dデッサン人形を使うのも画力向上に効果があると思います。
[3Dデッサン人形を使うことで私が感じた利点]
・デッサン崩れを最小限に抑えられる
・体を上手く描けるようになるのでモチベの向上に繋がる
・様々なポーズや難しい構図にチャレンジできる
・3D人形を弄り回すことで物の形を把握できるようになる
個人的に「3D人形を弄り回すことで物の形を把握できるようになる」が大きかったです。
私は空間認識能力が低く物を立体的に捉えることが苦手なので3D人形に頼ることがよくあるのですが、しつこく3D人形を弄り回していた結果、知らぬ間に以前よりいろんな角度から見た人体を把握できるようになっていました。
やはり上手く描けないとモチベは上がらないので、3Dモデルでも写真資料でも上手い人の描き方塗り方でもなんでも真似して利用して、少しでも自分の理想とする完成像に近づくことがモチベアップに繋がり、上手くなるコツだと思います。
私は以前「何も見ないで描いてこそ」だと思っていましたが、そもそも何も見ないで描ける天才ではなかったので、ただ無駄な意地を張っていただけだったことに最近(再び絵を描くようになってから)気付きました(^^;
上手い人ほどものをよく観察して描いています。
激しく上手い海外アーティストのメイキングで3Dモデルや写真をバンバン使っていたことを知った時、ガッカリしたと同時に「なーんだ、上手い人も使ってるんだ」と力が抜けたのを覚えています。
もし3Dモデルに頼ることが悪いことだと思っている人がいるなら、大丈夫ですよ。
3Dでもなんでも使って今より上手く描けるようになってから、「クリスタの3Dモデルのここがちょっとおかしい」と気付けるようになったら万々歳です。
そしたら次は写真を見て、人体解剖図を見て、実際の体の造りを知ることができるはずです。
いきなり解剖図を見ても頭になかなか入らないですから(^^;
丸写しを一から自分が描いたと言うのはダメですが、上手い人の真似自体は練習に最適です。
使えるものはなんでも使って今よりも上手く、楽しく描いちゃいましょう(^^
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