2014年04月07日

知っておくべきアートの原則

全272ページ、フルカラー、重さ約1kgの「デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則  -色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き- 」をゲットしたのでレビューします。




内容紹介
デジタルアーティスト必読
アートの原則がこの1冊に!

ゲーム&映画業界の経験豊富なアーティストたち、Gilles Beloeil(「アサシンクリード」)、Andrei Riabovitchev(映画「ハリー・ポッター」シリーズ)らによって書かれた本書は、新人アーティストたちには今後のアート人生に必要なツールを、ベテランアーティストにはセオリーを磨き上げるヒントを与えることでしょう。アート業界でキャリアを高めたいすべてのアーティストが読むべき1冊です。

・制作プロセスの便利な手引き
・簡潔な説明で、明暗法、解剖学、色彩理論を理解
・学生や教育者にとっても価値あるガイド

本書は『Art Fundamentals』の日本語版です。

【目次】
Chapter 1 色と光
Chapter 2 構図
Chapter 3 遠近法と奥行き
Chapter 4 解剖学
Chapter 5 リファレンスギャラリー
Chapter 6 アートギャラリー

【対象読者】
デジタルアーティスト、イラストレーター、キャリアを高めたいすべてのアーティスト






前評判が高く、発売初日からAmazonのカテゴリ別ランキング1位をひた走る本書。

アサシンクリード」のGilles Beloeilや「映画ハリーポッター」シリーズを手掛けたAndrei Riabovitchevらベテランアーティストが自身のイラストを基に作品をより素晴らしいものへ仕上げるためのポイントを教えてくれます。
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背表紙には『初心者には芸術の探求に必要なツールを、ベテランには理論を高める機会を提供します。』とありますが、絵をこれから描こうと思っている本物の初心者には難しい内容かもしれません。

というのも、作品をよりリアルで素晴らしいものにするためのヒントは確かにあるのですが、各章のページ数には限りがあるので完全に1から解説するわけにもいかず、一々単語の解説もされていないので、基礎的なある程度の知識がないと理解しがたい説明になっているからです。

基礎的な知識を持って見ると今すぐ試したくなるような魅力的な技が見付かりますのでポイントは高いです。

完全に初心者だったとしても美しく大きな迫力あるイラストが何十点も掲載されているので、本書でその内容に興味を持ってから他の専門書を見てみるのもいいかもしれません。

例えば「01 色と光 -Color and Light-」をもっと掘り下げるなら「カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~」、「03 遠近法と奥行き -Perspective and Depth-」のパースについて知るなら「パース塾」などを参考に。

ネット上にあるパース講座でも基本的なことは学べます。
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一番難解なのがハリーポッターAndrei Riabovitchev氏が解説している「02 構図 -Composition-」で、科学的・数学的理論に始まり、歴史的観点から解説もされるので正直訳が分からなくなりそうでした。

しかしよく分からないまま読み進めても今すぐ使える為になるポイントは美麗なイラストを用い分かりやすく解説してありますので安心してください。
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05 リファレンスギャラリー -Reference Gallery-」から「06 アートギャラリー -Art Gallery-」含む後半は様々な美しく迫力のあるイラスト・絵画が掲載されており、その絵で伝えたいイメージ、そのために意識して駆使した技術・知識などのコメントが載っています。

詳しく知りたい場合は○○ページを参照してください」とありますが、そもそも1〜4までの章がそこまで詳しく解説されていないのでここは賛否が分かれるかと思います。



アサシンクリードのような絵の描き方が1から載っているわけではありません。

ただ、それに近づけるためのポイントは確実に載っています。


後半のギャラリーにしても受身の状態でただ眺めただけならただの画集です。

1〜4までの章で学んだものを頭に入れ意識して見ると、各作品のどこにどの技術が使われているのか気付けるでしょう。

気付いて、自分のイラストへ応用できれば価値のある一冊になると思います。



日本のイラストレーションの主流はデフォルメで、ルネサンスに始まる西洋美術のようなリアリティのあるイラストの描き方の手引書はあまり見られません。

ゲームや映画のコンセプトアートのような雰囲気やリアリティのあるイラストが描きたければ、必ず押さえておきたい知識が本書には載っています。

すでに熟練した技術を持った上級者には「原点へ立ち戻り、基本的コンセプト、ルール、セオリーを再発見しましょう!」とありますが、物足りない内容になるかと思います。

基本的で魅力的なポイント(アートの原則)を知り、レベルアップしたい初心者〜中級者にこそ役に立つ本だと言えます。





本書は『Art Fundamentals』の日本語版です。
海外Amazonの『Art Fundamentals』はこちら
レビューに使用した画像はAmazon.co.jpからの引用になります。
「Art Fundamentals」の著作権は3DTotal.com、イラストレーションの著作権はそれぞれのアーティスト、著作権者が有します。



デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則 -色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き-デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則 -色、光、構図、解剖学、遠近法、奥行き-
3DTotal.com,高木 了,倉下 貴弘(studio Lizz),河野 敦子

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posted by うろ at 00:00 | Comment(0) | 本のレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする